ジョン・C・マックスウェル(20年以上の教会牧師の経験を持つ米国リーダーシップの権威者)はリーダーシップの原則の中で、「天井の法則」なるものを紹介しています。

「天井の法則」とは、下の図①②にあるように、個人の献身とリーダーシップとの関係を表わすものです。リーダーシップが不足していると、どんなに個人の献身があっても、達成できる奉仕には限界があります。図にあるように、天井が低いからです。

一方、良きリーダーシップで人々を巻き込んでゆくと、豊かな奉仕が可能となります。人々が、同じ目的をもって主体的に働くことができるからです。天井が高いのです。

「天井の法則」は、御言葉の実行についても言えるのではないでしょうか(上の図③④)。
人間がイエス様のご命令に従うということ、それは時として困難です。
たとえば、イエス様は「敵を愛しなさい」(ルカ6:35)「あなたがたの父が憐れみ深いように、あなたがたも憐れみ深い者となりなさい」(ルカ6:36)とおっしゃいました。しかしそれは、神様の行ないであって、人間にできるものではありません。どんなに献身しても、それを実現するのは難しい。私たちの天井が低いからです。
しかし、イエス様のお力がそこに働くならば・・・

イエス様は手がなえた人に向かって、「手を伸ばしなさい。」(ルカ6:10)とおっしゃいました。手がなえた人には不可能な命令です。しかし、お言葉ですから、伸ばしてみましょう、と御言葉に従うとき、神様は手を伸ばしてくださったのです。

であるならば、人を愛することについても、同じ原則が働くのだと思います。手のなえた人がイエス様の呼びかけに応じたように、私たちも、イエス様の呼びかけに応じてゆくならば、奇跡は起きるはずです。

手のなえた人が手を伸ばすのに、イエスの呼びかけが必要であったように、私たちが敵を愛するには、イエスの呼びかけが必要なのです。自分には決してできませんが、主よ、お言葉どおりにお従いします、と信仰の一歩を踏み出すとき、神様は奇跡的に、私たちのうちに働いてくださり、敵を愛するようにしてくださるのだと思います。