キリスト教会がベジタリアンを推奨?どうして?と思う方も多いかもしれません。ですが、聖書をよく読んでみると、聖書が菜食の効能を示していることが分かってくるのです。
聖書になじみのない多くの方は進化論を学んできていらっしゃるので、おとぎ話のように思えるかもしれないですが、聖書を信じているクリスチャンはこの世界は神様によって造られた、と信じています。
そして、その事が聖書の一番初めの創世記という所に書かれています。
世界が造られて最初の食事はなんだったかというと、
聖書を見てみると、「神はまた言われた『わたしは全地のおもてにある種を持つすべての草と、種のある実を結ぶすべての木とをあなたがたに与える。これはあなたがたの食物となるであろう(創世記1:29)』」と、あります。そう、「種を持つ草」というのが穀類のことで、「種のある実を結ぶ全ての木」というのが果物やナッツ類のこと、と考えられています。
そして、神様によって造られた世界の最初の人間であるアダムとエバが、神様の言われたことに従わず、食べるのを禁じられた木の実を食べた後は「地はあなたのために、いばらとあざみとを生じ、あなたは野の草を食べるであろう。(創世記3:18)」と聖書にあり、
「野の草」つまり、野菜を穀類と果物、ナッツ類に加えて食べるようになりました。
世界が創造されたばかりの頃の食事は、ベジタリアンの食事で、更に卵や牛乳もないヴィーガンの食事だったのです。
アダムとエバから子どもが生まれ、地球上に多くの人々が暮らす様になった頃、神様が世の中が悪くなるのを見て、洪水によって世界を一掃しよう、と決心されました。そのようにして洪水が起こったノアの時代、40日間の洪水で地上に食べ物が全くなくなってしまったので、神様は「すべて生きて動くものはあなたがたの食物となるであろう。さきに青草をあなたがたに与えたように、わたしはこれらのものを皆あなたがたに与える(創世記9:3)」と言われ、人間に動物を食べる事を許されました。
肉を食べ始めてからの寿命を見ると興味深い事がわかります。
創世記5章、11章にはアダム以降の人の死亡した年が書かれています。
アダムは930歳で亡くなり、その後、912歳、905歳、…とノアの950歳までほとんど900歳代です。ところが、ノア以降、600歳、438歳、・・・と、肉食を始めてから死亡する年齢が劇的に下がってきていることがわかると思います。
肉食が始まったノア以降、人間の寿命がどんどん短くなり、「われらのよわいは70年にすぎません。あるいは健やかであっても80年でしょう(詩篇90:10)」とあり、ダビデ王の時代には寿命は70歳くらいになっていました。
聖書にあるこれらのことから、菜食によって人間の寿命が長かったと、考えることができます。
セブンスデーアドベンチスト東京中央教会 仲本桂子